今年2022年4月6日の公演で、サポートミュージックソサィエティ(SMS)主催のコンサートが400回を迎えます。セントレホールで行っていた「Music & Wine」シリーズの44回を加えると、444回になります。延べ600人を超えるアーティストにご出演頂いたことになります。
11年前のことです。私と同じ慶應義塾大学のワグネルソサィエティ男声合唱団OBの二郷松雄君が、彼が建てた広尾の8階建てセントレビル3階にある100人収容のホールを活用して何かコミュニティーに役立つ音楽企画が出来ないだろうかと私に打診したことが始まりです。
当時私はスタインウェイジャパン(株)の会長、相談役を引退した頃で時間は自由に取れました。
アメリカ駐在時代、一緒に運営していたオーケストラの理事たちが機会ある毎に自宅でコンサートを開き、友人達を集めて音楽を楽しんでいるのをみて、日本でも同様に気楽に音楽を楽しみ、演奏者と聴く者とが交流できる場があるとよいと思っていましたので、そういう場にしようと彼に提案し、2012年3月22日にスタインウェイアーティストでたまたま公演の為来日していたローナン・マギルに話をし、彼もコミュニティーサービスならと引き受けてくれました。これが「若き巨匠」シリーズの前身「ランチタイムコンサート」の始まりです。
当初はお昼休みの時間帯である12時30分から約30分間の演奏で、料金もコーヒー付きで500円としました。出演者にはクラッシックの名曲を中心に演奏して頂きました。さっそくスタインウェイで交流のあったピアニスト達に声を掛けましたら、皆喜んで出演してくれて、週に一回の公演予定も1年先まで出演者が決まりました。さらにお客の要望もあって、バイオリンや歌なども予定に組み込みました。また会をサポートする会員組織も作りました。
毎週続けているうちに100回目を迎えることになり、それを記念して、大きなホールでガラコンサートをすることになりました。100回目がたまたま4月のさくらの季節であったこともあり、700人収容の渋谷のさくらホールで行いました。このコンサートのタイトルは全ての関係者に感謝を込めて「Gratitude感謝100」としました。
出演者は岩崎洵奈、ミハイル・カンディンスキー、浦山純子、竹多倫子、宮谷理香、新居由佳梨、川井綾子、千葉純子、永野光太郎、ローナン・マギル、司会は深野弘子とピアノ、ヴァイオリン、声楽で、それぞれ素晴らしい演奏で、ロビーではワインを振舞うなど、満席のお客も一体となって一大ページェントになりました。
このガラコンサートは「Gratitude感謝200」、「Gratitude感謝300」と同じさくらホールで祝うことが出来ました。
「ランチタイムコンサート」は合計323回、「Music & Wine」シリーズ44回でセントレホールでの公演を終えて、2019年からは野中貿易の渋谷にあるノナカミュージックハウス6階のアンナホールで時間帯も午後2時からと、管楽器シリーズは夜7時からにして、演奏時間も1時間に延ばして、タイトルも新たに「若き巨匠」シリーズとして、続けております。またワグネルらしく「歌声サロン」も60名限定で月一回開いてきました。現在はコロナ禍で中断しておりますが、早い再開が待ち望まれております。
よく最終目標は何回ですかと訊かれますが、最初から回数の目標を定めたわけではなく、前述の通り、「良質の音楽」を楽しみ若い優秀な音楽家を応援することを趣旨としてはじめ、我々も一緒に音楽を楽しみ、仲間を増やすことが目標です。
山に登る時に頂上を見ずに足元を見て登れとよく言われます。我々にとっては一回一回が最も大切な機会です。
どうぞ今後とも公演に足をお運び頂き、我々と共にSMSの活動にご支援頂くよう切にお願い致します。
一般社団法人サポートミュージックソサィエティ(SMS)
理事長 鈴木達也